危機的な現状
ひきこもりの人数には諸説あり、
100万人とも300万人とも言われています。
さらに長期化も進んでいて、
「8050問題」という言葉も聞かれます。
引きこもりの若者が存在していたがこれが長期化すれば親も高齢となり、収入に関してや介護に関してなどの問題が発生するようになる。これは80代の親と50代の子の親子関係での問題であることから「8050問題」と呼ばれるようになった。該当している親子の親には収入がなくなっている状態であり、様々な理由から外部への相談も難しく、親子で社会から孤立した状態に陥っている。このまま放置して高齢化すれば「9060問題」になると言われている。
ウィキペディア(Wikipedia)
このまま放置すれば「9060問題」になると言われていますが、
90歳ともなれば平均寿命を超えてしまいますから、
そうはならないと思います。
もはや、大量の死者が出てもおかしくない段階だと思います。
どうしてこうなった?
この語句の対象になっている世代はバブル崩壊後の就職難にあった就職氷河期世代であり、就職活動に失敗した者も多い。しかし彼らが若いとき行政は「自己責任」「親が面倒を見るべき」として棄民のように切り捨てたため、彼らが生活保護に突入すると取り返しがつかなく一気に社会保障費が増大する問題となっている。氷河期世代は「団塊ジュニア」「ポスト団塊ジュニア」の世代とも重なるため1,700万人おり数が多いことも、高齢化問題が深刻である理由である。「孤立は本人の努力不足からくる」と蔑視する自己責任論の社会風潮も、困窮者が相談しづらく孤立化することに追い打ちをかけている。
ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアにはこのように書かれていますね。
この「8050問題」とか「就職氷河期」とかは、
本当に酷い話なんですけど、
今日はもっと広い範囲の話をします。
「今にも死にそうなほどに追い詰められた人達が沢山いる」という話です。
それはなぜでしょうか?
「誰も助けなかったから」ですよね。
では、なぜ誰も助けなかったのでしょうか?
![](https://chiba-shii.com/wp-content/uploads/2022/06/202206231-1024x400.png)
福祉の優先順位
これも以前書いた内容なんですけど、
「より深刻な状況の人を助ける」という優先順位があると思っています。
なぜなら、福祉の財源たる税金や寄付金には限りがあるからです。
もし、今の局面で、
限られた財源で何をすべきかと考えると、
優秀で企業が欲しがるような人や、
健康で居場所などに遊びに行ける人の支援よりは、
もっと危機的な状況にある人の支援を優先せざるを得ないと思います。
無駄なく有効に使うことができれば、沢山の命が助かるかもしれません。
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福祉ビジネスの限界
しかし、福祉だって「ビジネス」でやっているのであれば、
「収益」ということから切り離すことはできないと思います。
しっかり収益をあげて、
従業員の幸福を追求するのも大切なことかもしれません。
寄付金も補助金も「出来るだけもらいましょう」となるし、
支援するにしても、
「効率良く収益をあげるにはどうすれば良いか」を考えます。
やがて「うちは、こういう人しか相手にしません」となり、
「若者専門です」となったり、
「外出できて、お金のある人だけ来てください」となってしまうわけです。
一方、WEBなどで、
「自分は凄い人、素晴らしい人」みたいに発信してしまうのも、
「集客」という面を考えると、そうなりがちなのかもしれません。
(だからと言って、騙すのはダメですが)
ビジネスでやっている以上、
利益の追求も集客も、ある程度は仕方がないとしても・・・。
だけど、一つだけ聞きたいですね。
「お金にならない人達は見殺しですか?」
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ビジネスにしてはいけない分野
そもそも福祉は、
「ビジネスにしてはいけない分野」だったのかもしれません。
これは、政治をビジネスにしてはいけないのと同じです。
例えるなら、政治をビジネスにしたら、
汚職が増えて、ちゃんと機能しなくなったような感じです。
福祉の業者は、こんなにも沢山あるのに、
こんなにも沢山の「誰も助けなかった人達」が、長年放置されてきました。
助けを求めても誰も助けず、
「自己責任」の一言で切り捨てられてきた人達です。
その人達が困窮し、人生を失い、ついには命を落とそうとしています。
時々、WEBなどで、
「誰も助けなかった人達」のことを真剣に考えていたり、
心を痛めている人も見かけるのですが、
ほとんどが、当事者や元当事者の方でした。
一方、福祉のプロは、
「我々こそがプロだ」と発信しているようですが、
当事者には「文句を言うな」と言い、
他の業界の人には「口出しするな」と言っていたりします。
私が在籍していた、
超絶ブラックの不動産会社でさえ、
顧客の意見は、ちゃんと聞く姿勢を持っていました。
今の状況は「矛盾」しているし、「あべこべ」になっています。
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尊敬できる福祉を見せてほしい
多少、きつい言い方になってしまったかもしれません。
それはお詫び申し上げます。
もちろん、ちゃんと責任感・危機感をもって、
活動されている業者も存在するかと思います。
私は別に、福祉業界の人と敵対する気はなく、
そんなことをしても意味がありません。
むしろ本来であれば、
福祉業界の人達こそリーダーシップをとって、
積極的に、この問題を解決してほしいと思っています。
ぜひ、プロの力を貸してください。
せめて・・・。
せめて、見て見ぬふりをするのではなく、
不都合なことであっても目を背けず、
「このままではいけない!」と声をあげてほしい。
尊敬できる福祉を見せてください。
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