WEB制作の職業訓練
私は、WEB制作の職業訓練に行ったことがあります。
民間のWEB制作会社に委託している職業訓練でした。
ここで初めて、今でも使っているillustratorやPhotoshop、
HTMLやCSSなどに触れました。
動画制作も、ここで学んだのが最初でした。
サーティファイのWEB制作の資格も受験し、
(この試験は点数が判るのですが)満点で合格しました。
職業訓練の先生も、
「今まで沢山みてきたけれど、満点で合格した人は初めてだ」
と言ってくださり、
この先生は非常に実力があって、私は尊敬していたので、
テンションも上がりました。
「俺、結構向いているんじゃないかな?」なんて思っていました。
後に、それがとんでもない勘違いであることを思い知らされることになります。
なにげなく応募した求人
ある日のことでした。
地元の求人が沢山載っているチラシみたいなのが、
ポストに投函されるのですが、
それを見ていたら、一つの求人が目に留まりました。
それは、WEB制作の仕事でした。
就労継続支援B型で、
WEBを作りながら、障がいのある方にPCを教えるというもの。
条件はクリアしているし、近くだし、
WEB制作の実務経験を積みたいと思っていたし、
福祉にも興味があったので、応募してみようかなと思いました。
この時、私はなにげなく、
深く考えずに応募してしまったのでした。
ネットショップ制作
無事に採用となって、
まず、その事業所のWEBサイトを制作してくれと言われました。
これは、職業訓練で習った通りの工程で、
すぐに終わりました。
その次に言われたのが、
ネットショップを作ってくれということでした。
そこで働いている、
障がい者の方が作った工芸品を売りたいということなんですね。
そして、ネットショップはEC-CUBEで作ってほしいということでした。
私は、
「EC-CUBEってなに?」という状態で、
「なぜEC-CUBE?」とも思いました。
まだプログラミングを学ぶ前だったので、
制作は困難でした。
でも、先方の強い希望だったので、
本を購入して必死で調べました。
なんとかネットショップを作り、
テストをして、
メールも返信されているし、
どうやら、ちゃんと動いているようだ。
「良かった。なんとか責任を果たせた!」
そう思ったのも、つかの間でした。
売れないネットショップ
制作したネットショップには、
ほとんどアクセスがなく、商品が売れませんでした。
アクセスを集めるための手段を講じれば良かったのですが、
当時は分かっていませんでした。
EC-CUBEで、
決済の有料プラグインも使う必要があったため、
結果的に赤字になってしまっていました。
売れないネットショップでは意味がない・・・。
コードが組めるとか、ソフトが使えるとかは、
最低限のラインだったのですね。
私は責任と限界を感じ、
採用は辞退して、ボランティアとして働かせてもらうことにしました。
就労継続支援B型
就労継続支援B型で働いていた人達は、
車椅子の方や知的がい害の方など、障がい内容は様々だけど、
真面目で純粋な人達でした。
人間性の面では、
私が社会でみてきた狡猾な人達より、
よほど上だと思いました。
また、仕事の能力が低いかと言うと、
決してそんなことはありませんでした。
しいて言えば、
機会に恵まれていたかどうかの差だと思いました。
しかし、この人達なら、
環境と支援者の腕次第で、健常者に遜色ない仕事ができる。
私は確信しました。
それだけに、当時の自分の力の無さが悔やまれます。
事業所を離れる時
それから数か月間、ボランティアとして働きました。
机の組み立てなどの力仕事をしたり、
PCを教えたり、少し送迎をしたりといった感じです。
そして、私も自分の仕事をしなければいけなかったため、
事業所を離れる時が来ました。
泣いている人もいました。
私なんて、たいして役に立っていないのに、
むしろ、迷惑をかけてしまったのに・・・。
申し訳ない気持で一杯でした。
この人達を幸せにしたかった。
そして、それが出来なかったのは、
全て私の、支援者としての力不足に責任があります。