この世で一番の奇跡

一番の奇跡のサムネ メンタル

こんにちは、ちばっしーです。

今日は「この世で一番の奇跡(著:オグ・マンディーノ)」を、
ご紹介します。

(途中までネタバレあります)

昔、お世話になった方が薦めてくれた小説です。

駐車場の救世主

ひどい吹雪の日、駐車場で、
主人公は一人の老人と出合う。

いずれにしろ、駐車場に車を入れる方法はほかになかった。もしこのまま路上に車を放置すれば、レッカー車でもっていかれるにちがいない。膝まで雪に埋まって突っ立ったまま、目に降りかかる雪を払い、この中途半端な旅の愚かさを呪った。
 これまで、ねばり強さの大切さについて書いたりしゃべったりしてきたが、そのいっさいを疑いたくなった。ちょうどそのときのことだった。鳥にエサをやっていた見知らぬ人物が、自己憐憫にひけるわたしの思考を妨げた。
「手伝いましょう」

この世で一番の奇跡

廃品になった人びと

主人公の名は、オグ・マンディーノ。
老人の名は、サイモン・ポッター。

オグは、サイモンのアパートに招かれる。

サイモンは「ラグピッカー」だという。
(生計をたてるために、街角やゴミ溜りからぼろ布や不用品をあさる人のこと)

けれども、わしはそのようなラグピッカーではないのです。わしがさがしているのは、古新聞やアルミのビール缶よりももっと貴重なものです。廃品になった人間をさがしているのです。他人だけではなく、自分自身にさえ捨てられてしまった人間、偉大な可能性をもっているにもかかわらず、自分を愛する心を失い、より良い人生を求めようとしなくなった人たちのことです。

この世で一番の奇跡

世界一のセールスマン

オグは作家だった。

自身の本「世界一のセールスマン」を、
サイモンにプレゼントする。

不思議なことにサイモンの生い立ちは、
「世界一のセールスマン」の舞台設定と完全に一致していた。

「そのあとは、家族と自分が余生を快適に送るのに充分な資産を会社からもらい、会社の経営権を、それまでわしのために忠実に働いてくれた社員にゆずろうと思ったのです・・・」
 わたしはふたたび口をはさんだ。今回は声がしわがれていた。「サイモン、わたしの本を読んでいただければわかるんですが、世界一のセールマンであるハフィドも、最期には、経営権と富の大半を、会社の設立に貢献してくれた人たちにあたえるんです」
 老人は眉を寄せ、頭を振った。「そんなばかな・・・! ありえないことだ!」
「ご自分で読んでみてください。それで、あなたのご家族はどうしたんです?」

この世で一番の奇跡

成功と幸福の秘訣

ラグピッカーのサイモンは、
生ける屍となった人達を助けるためのメッセージを書いた。

それは「神の覚え書き」というらしい。

このメッセージを毎晩、100日読むと、
心の中にたくさんの秘密の回路が開き、人々は甦るのだという。

そしてその原稿を、不思議な縁のあるオグに譲りたいといった。

「そうです。人間は直立して歩くようになって以来、とらえがたい自尊心の問題を解決する努力をしてきました。賢人たちは何千年もの間、その病と治療法について書いてきました・・・みな、立場はちがいますが、同様な解決策を提唱しています。にもかかわらず、わしらはそれを無視してきた、この真理に気づいたわしは、アパートに数ヵ月こもって、成功と幸福の秘密を抽出し、単純な言葉に結晶化させる本を書きました。」

この世で一番の奇跡

ラグピッカー・コース

夏から秋にかけて、オグとサイモンは友情を深めていく。
その間「神の覚え書き」がふたたび話題にのぼることはなかった。

オグは、広範な知識と豊富な経験を持つサイモンに魅かれていった。

彼は話を中断して、わたしに尋ねた。人びとが医学部や法学部の学科を履修するのと同じように、彼の話を聞くことによって、わたしが「ラグピッカー・コース」を履修していることを自覚しているのかと。それから、最終的にもっとも良いラグピッカーになれるのは、わたしみたいに、ゴミの山に埋もれた経験をもち、自分自身の墓場から這いでたことがある人間なのだと言って、わたしという存在を認めてくれた。
 五ヵ月というもの、わたしはわが国でもっともすばらしい大学に通った。
 教授はサイモン・ポッター。

この世で一番の奇跡

心からの贈り物

サイモンの七十九歳の誕生日に、
オグは「ガラス製のゼラニウム」を贈る。

サイモンは大粒の涙を流した。

「おやすみ。誕生日を祝ってくれてありがとう。決してこの日のことは忘れないでしょう。今夜、あなたはわしのために本当のロウソクを灯してくれました」
 ほぼ一年前に吹雪のなかでわたしのためにサイモンが持ちあげてくれたゲートの遮断機。その下を今くぐりながら、わたしは振りかえって、彼のアパートの窓を見あげた。
 居間から洩れる暖かな光に背後から照らされて、サイモンの新しい赤いゼラニウムのシルエットが揺れていた。

この世で一番の奇跡

老人からの手紙

ある日、オグのオフィスに封筒が届く。
封筒にはこう書かれていた。

「年老いたラグピッカーからのお別れの贈り物」

オグは必死でサイモンを探す。
しかしサイモンの姿は、どこにもなかった・・・。

サイモンは新たにラグピッカーの使命をはたそうとしているにちがいない、とわたしは思った。
「ポッターさんをお願いします」
「えっ?」
「ポッターさんです。老人の。ここに住んでいる」
「ここにポッターなんて名前の人はいないよ」
「なにを言ってるんです? 彼はここに何年も住んでるじゃないですか。オグ・マンディーノがきたと伝えてください」
「いい、マック、あたしの名前はジョンソン。このぼろアパートに四年間住んでんの。ポッターなんて名前の人がいないってことはよく知ってるよ」

この世で一番の奇跡

神の覚え書き

サイモンは幻だったのだろうか?

いや、ここに封筒があるじゃないか。
彼は確かに存在していたんだ。

オグが封筒を開けると、
中には、サイモンからの手紙と、
「神の覚え書き」が入っていた。

 親愛なるミスター・オグ。
 準備不足のためにじっくり時間をかけて遺書を書く暇がありませんでした。埋めあわせにこの手紙を書きます。
 昨年の間、あなたは年老いたラグピッカーの人生に、愛と友情と笑いを、そして楽しい会話と萎れることのない赤いゼラニウムをもたらしてくれました。
 ラグピッカーは職業柄、人生のすばらしい贈り物を受け取る側になることに慣れていません。また、自分が助けたいと思っている人にあまり近づきすぎるのも賢明ではありません。
 けれども・・・・。

この世で一番の奇跡

この世で一番の奇跡

今日は「この世で一番の奇跡(著:オグ・マンディーノ)」を、
ご紹介しました。

サイモンからの手紙の内容とは?
「神の覚え書き」とは?

そして「この世で一番の奇跡」とは?

興味がある方は、ぜひ本を手に取ってみていただければと思います。

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