中国古典から学ぶ

中国古典のサムネ メンタル

中国古典「一日一話」(守屋洋)という、素晴らしい名著があります。

この本は中国古典の180の言葉を、一つの言葉で1ページの構成で解説されています。
昔の人は賢かったと思います。
まさに「知恵の宝庫」という感じで、きっと参考になる考え方や、
心の支えになる言葉があると思います。


今日は、こちらの本を参考にさせて頂き、
ひきこもりの方の心の支えになりそうな言葉を、少しピックアップしてみます。

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中国古典「一日一話」―――世界が学んだ人生の参考書 三笠書房 電子書籍

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曲なれば則ち全し(老子)

『老子』の根本思想は、昨今の「目立ちたがり屋」の対極にあると考えていいだろう。

「屈しているから伸びることができる。窪んでいるからこそ水を満たすことができる」
伸びきってしまえば、その先伸びる可能性はなくなってしまう。曲がっているからこそ、将来大きく伸びることができるのである。

まずは、私が好きな老子の言葉から。

「きょくなればすなわちまったし」
略して「曲全(きょくぜん)」とも言うそうです。

「目立たなければいけない」
「欠点があってはいけない」と考えている人も多いと思いますが、
老子の思想は全く逆です。

遇と不遇とは時なり(荀子)

どんな人にも、不遇の時期というのがある。何をやっても上手くいかない。やることなすこと裏目に出る。こんなことばかり続くと、誰しも悲観的にならざるをえない。しかし誰の人生にも、必ず遇の時が巡ってくる。だから、あわてずさわがず、じっとその時が来るのを待てばよい。

不遇もあれば遇もある。

「そんなことないよ。ずっと不遇だよ!」
と言いたくなる方もいるかと思います。

その気持ちはよくわかります。

しかし一方で、はるか昔からこの言葉が、
人々の間で伝えれられてきた事実も興味深いです。

蝸牛角上の争い(荘子)

昔、魏の国の恵王が斉の国を攻撃ようとしたとき、載晋人という賢者が恵王に目通りを願い出て、こう進言した。
「カタツムリ(蝸牛)の左の角に触氏という国があり、右の角には蛮氏という国があって、絶えず領土争いをくり返しておりました。あるときなどは激戦十五日にわたり、双方の死者数万人を出すに及んでようやく兵を引いたほどです。地上の戦いも、みなこの類いではありませんか」
つまり、宇宙からみれば、国同士の戦争も「蝸牛角上の争い」みたいなものだ。

カタツムリの角の上での争いの話です。

私の方が上だとか下だとか、
くだらないマウントの取り合いなどはまさにこれで、
宇宙から見たら本当に小さく、どうでもいいことかもしれないですね。

伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高し(菜根譚)

藤沢秀行名誉棋聖の『人生の大局をどう読むか』をたいへん興味深く読ませてもらったことがある。碁では、目前の利益にこだわらず、将来に備えて力をためる打ち方を「厚みの碁」というそうだ。これを人間にたとえるなら、一見歩みは遅いようにみえるが、一度チャンスをつかむと存分に力を発揮して、一気に遅れを取り戻すタイプである。厚みの碁を好むタイプは、晩成型が多いという。

長い間うずくまって力を蓄えていた鳥は、いったん飛び立てば、必ず高く舞い上がる ー まさに、厚みの碁と同じである。だから、たとえ逆境にあろうとも、じっと力を蓄えておけば、必ず力を発揮できる時が来るのだという。

厚みの碁のように、焦らずじっと力を蓄えて、
いつか高く飛び立ちましょう。

まとめ

長い長い歴史の中で、
このように人々の知恵が、現代まで伝えられてきました。

きっと、生きるヒントがあると思います。

1ページ単位でコンパクトにまとまっているので、
私はこの本を、一日1ページ読むことを習慣にしていたことがあります。

人生観を変える可能性を持った名著だと思います。

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